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ないものは、今ないからこそ「作り放題」。まちづくりは熱量がいのち
種坂奈保子
デザイナー/まちづくり会社社員
岩手 陸前高田
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子育てが「いいまちにしなきゃ」という使命感の原動力に
─── 娘さんの子育てをしながらお仕事されていますが、育児はどうですか?
子どもと一緒に海や川に行ったり、割と楽しめていますよ。地域の人も子どもがいるから話しかけてくれて仲良くなることもありますね。子どもはすごいと思います、発見が多くて、「どう、子育て?」って言われると「面白いよ」って言っちゃうんですよね。可愛いというより、面白いです。
─── ライフスタイルの変化から、仕事の姿勢で変わったことはありますか?
めちゃくちゃありますね。子どもが生まれてから、子どもに見せたいまちの形という感覚が湧きました。今までは、自分がどう楽しく過ごすかだったんです。でも今は、子どもがここで大きくなっていくうちに、自分のまちを好きになってほしい。自分がそこに関われる仕事でもあるし、子どもが大きくなる過程を楽しめるまちであって欲しい、というのはすごくあります。物事を考える原動力になっていますね。
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「面白いまちにしたいな〜」から、「面白いまちにしなきゃ」という使命感に変わった気がします。子どもに「このまち、つまんない」とか「良さが分からない」と思われたら悲しいし、寂しい。だから、頑張んなきゃなって。娘が生まれる前から、「陸前高田まちなかマップ」も制作しているんですが、娘が楽しく過ごしてくれるといいな〜って、まちなかで楽しく遊んでいるイラストを後から入れました。
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子どもに、体験させたいワークショップとか、子どもの成長に合わせたワーク、美術にふれるいろいろな機会があるといいなと思っています。子どもと一緒に参加できるイベントにして、自分の子どもも参加者として連れていくという働き方ができたら面白いなと思いますね。
─── 奈保子さんのこれからの働き方にも注目ですね。まちづくりって、子どもたちの世代に伝え残していく素晴らしい活動ですね。これからの活躍と楽しい企画をお待ちしています!
ありがとうございます。
まちづくりに関しては、「今、よそにはこんなサービスがある」と不満をいっても、やっている他の誰かがいるだけですよね。その人に誰かがなるか、探せばいい。卑屈にならないというのは大事かなと思います。究極、自分の興味に人を巻き込んでいく。その方が面白いですよね。自分がやりたいことの方が、熱量が伝わるからお客さんがたくさん来てくれるし。
こんなことしたいなとか、あったらいいなとかで終わらせずに、今ないからこそ作り放題、だなと思います。
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- 種坂奈保子
- 1986年生まれ、愛知県出身。京都市立芸術大学でデザインを学ぶ。大学3年生の時に初めて陸前高田を訪れる。大学卒業後は名古屋の企業でデザインの仕事に就く。現在は陸前高田ほんまる株式会社で、陸前高田の新しい中心市街地のPR活動として、イベント企画・運営、それに伴うデザインなどを行なう。陸前高田では「種やん」と呼ばれ多くの人に親しまれている。仕事をしながら、2019年に出産した娘の子育て中。
●陸前高田ほんまる株式会社 https://www.rt-honmaru.com/
インタビュー日 2021年7月7 日
取材・文・写真 板林恵(一般社団法人トナリノ)
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