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心おどるほうへ。ユーモアのある絵本づくりで生産者を応援

菊池亜紀

なつき屋 代表/管理栄養士
岩手 金ケ崎

思いついたら何でもやってみる

── 「なつき屋」としてさまざまな活動を行なっている亜紀さんですが、改めてどんなことをしているか教えてください。

主に手描きイラストのお仕事を軸に、農家さんや食品会社などの生産物の魅力を伝えるミニ絵本、売り場用のPOPや商品ラベルの製作などを行なっています。また、全国の作家さんや福祉施設と連携して野菜モチーフのグッズ販売を展開したり、管理栄養士の経験を活かした身体にいいレシピや商品開発のご相談にも応じています。

実際に知り合いの生産者さんのところに行って、農作業や出荷のお手伝いをしたり、イベント出店時の移動販売のお手伝いをすることもあります。

周りからは「なんでそんなことをやるの?」と言われることもあるのですが、私の中では現場でしか分からないことを実際に体験する、ということを大切にしていますし、価値があると思っています。一見すると関わりのない分野も絶対に無駄にはならないと思うので、ビビットきたら即「やります!」って言ってる気がします。

─── 探究心が強いのは、昔から?

そうですね、今も昔も変わらないかもしれません。幼い頃はアリの巣をほじくったらどうなるんだろうとか、ミステリー小説を読んではどんな展開になるんだろうってわくわくしたりとか。料理をするのも好きでした。1人で黙々と何かをするのが好きな子どもでしたね。

高校の部活でもマネージャーをやっていましたし、自分から前に進むタイプではなく、昔から誰かを応援するタイプ。誰かのサポートをするという意味では、今にも通じるのかも。

─── 本質的には昔と変わらないというところも面白いですね。学生の頃から管理栄養士を目指していたんですか?

実はそうでもなかったんです。料理が好きだったので、漠然と「食」に関わる仕事がしたいなぁぐらいに思っていたのですが、栄養士の資格を取得できる短期大学を担任の先生から勧められ、入学した感じでした。

短期大学を卒業後は、県内企業で調理スタッフとして就職しました。仕事上、栄養価計算をすることもあったので、幅広い知識を身につけようと猛勉強し、管理栄養士の資格を取得しました。また調理担当以外にも、総務、経理、接客など様々な業務も経験させてもらいました。大変だったけれど、今思うとその時の経験が「何でもやってみる」精神に活きているのかもしれませんね。

その後、管理栄養士の資格を生かした職に就いてみたいなと思うようになり、管理栄養士を募集していると知り合いから教えてもらったことをきっかけに、岩手県内の診療所に転職しました。

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