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心と体に持つ“ささくれ”のような困りごと、ヨガを通して減らしていけたら

吉田愛

ヨガインストラクター/バランスボールインストラクター
岩手 陸前高田

「腰痛をなんとかしてもらいたい!」他力本願だった産後

─── 愛さんは陸前高田市を中心にヨガ講師として活動をされていますね。なぜヨガを学び始めたんですか?

きっかけは、産後の腰痛です。2013年の長男の出産後、ぎっくり腰になってしまって……。それで鍼灸院に通ったんです。この苦痛をなんとかして! って他力本願な感じもあったと思います。そしたら鍼灸院の先生に「自分でも何か努力しなきゃいけないよ」と一喝されました。そう言われて、何か自分でできそうなことを探しました。体を整えるためにヨガがいいかもしれないなって。まずは自分のために勉強を始めました。

─── ヨガを始めたのは産後の腰痛対策だったんですね。どうして人に教えるように?

腰痛だけじゃなく、他にいくつかあった体の不調も改善されて。「ヨガって本当にいいんだ」って思えたから、イチからちゃんと勉強してみようと。2015年には、第二子である長女が生まれました。長女はまだ赤ちゃんの時期でしたがインストラクターの認定資格取得のために陸前高田から仙台のヨガスクールに通学したんです。長男は保育園、長女は陸前高田に住む義理の母がみてくれました。

ヨガスクールで勉強したのは、哲学的な考え方や心身の整え方。勉強しながら気が付いたのは、私が出産前にヨガを知っていたら、産後はもっと楽だったのかもって。ヨガを知っていることで体が楽になるのなら、いろんな人にヨガを知ってもらいたいなって。それで、ヨガの先生を始めました。

─── 仕事としてスタートしたときは、どうでしたか?

2017年にインストラクターの資格を取りました。そして自分が主宰するヨガ教室の活動を少しずつ始めたんです。でも最初の1年はその教室の営業ばっかりで、鳴かず飛ばずで大変でした……。営業をしながら、陸前高田市内やその周辺の施設を借りて少しずつ教室を開催していきました。大変ではあったのですが教室を続けるにつれて、参加者さんの不調が治っているお話を見聞きするようになりましたね。

そんな様子を見ると、知識をもっと付けて来てくださる方に伝えたいって思うんですよね。一人一人悩みも違います。お年寄りや産前・産後のお母さん向けのヨガや、バランスボールなども取り入れて。ヨガの根っこを掘り下げるように、ヨガ教室を開催しながら、スクールに通学して学びを繰り返しました。何とか形にしたくて必死でしたね。

─── その甲斐あって、今では多くの方が愛さんのヨガレッスンを受けていますね!

参加者さんには、自分なりに「こう体を動かせばいいんだ!」っていう気づきを一つでも持ち帰ってもらえたらいいですね。小さな気づきから、体の不調が改善されたり、気持ちが上向きに変わるかなって。すごく小さいけど痛い “ささくれ”のような小さな悩みや不快感を一つでも減らせるといいなと思って活動しています。

産後のお母さん向けのバランスボール教室。前列右が愛さん。
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