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ないものは、今ないからこそ「作り放題」。まちづくりは熱量がいのち

種坂奈保子

デザイナー/まちづくり会社社員
岩手 陸前高田

ローカルだから女性が住みにくい、なんて感じたことがない

─── とにかく会って話してみることって大事ですよね。それでは、どういう「まち」なら、女性が住みやすくなると思いますか?

住みにくさって、逆に何なんでしょう? 女性だから住みにくい、って思ったことがないです。

たとえば、会議の場でも決して女性を妨げているわけではないですよね。夜の会議には参加できなくても、その話に興味があるという姿勢を見せると、私が参加しやすい時間にしてくれるかもしれないし。女だからとバリアを作っているのは、自分ではないのかな?

─── バリアを作っているのは、自分……。ドキッとしますね。

あとは、誰かが話している間に、自分の意見をバッという勇気、みたいな(笑)。

話の切れ目をどこかで見つけて、「えいやっ」って。「私にはできない」と言う人もいるけど、男の人でもそれは同じ。あとは勇気だけな気がする。女だからって、聞いてもらえないことはない気がします。

─── 自分の意見を言わないと考えを伝えることもできないし、発展もしないですよね。

そうしていると何かの時に頼りにされたり、意見を聞いてもらえたりします。そしたら自分も勉強して、詳しくなりたいと思えるし。受け身じゃなく攻めていく姿勢は男女関係なく必要かなと思います。現状に文句を言っていても何も変わらないので。

─── 確かに。住みにくさって、自分が張ったバリアなのかもしれないですね……。

自分の領域を広げていくと、意外と地域にも若い女性が活躍して欲しいと思っている企業さんなどもあると思います。いろんなところに顔を出して、自分を認識してもらっているうちに、話が舞い込んできたりするのかなという気はしますね。

私自身はむしろ、女性の視点は強みだと思っていて。女性だから呼ばれることもあるし、会議だと女性の意見が欲しいと言われるし、意見を求めていると思います。ローカルが住みにくいとか、そんなに私は思ってないかな。

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