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私を形作ってくれた地元・宮古のNPOで、次の世代に恩送りしたい

八島彩香

NPO法人みやっこベース 広報スタッフ
岩手 宮古

受け取った恩を、次は私が渡す番

─── 8年ぶりに宮古に帰ってきて、率直な感想は?

もう最高です! 一緒に活動していた同年代の子たちも徐々に宮古にUターンしてくるようになり、昔のようにみんなで集まれる時間が楽しいです。いろんなイベントにも誘ってもらったり、あそこのラーメン屋美味しいよとか、山菜採り一緒に行こうよって気軽に声をかけてもらえる距離感が心地良いんですよね。やっぱり私が一番自分らしくいられるのはここなんだなーって。

それと、市の委員会に若者枠として呼ばれたり、地元の人たちから頼まれごとが増えてきているのも嬉しいです。宮古に対して、少しは恩返しできているのかな。

─── 恩返しとは?

宮古にいる大人たちって、気にかけてくれたり正面から向き合ってくれる人たちばかりで、私にとって憧れの存在なんです。高校生の時にいろんなことを教わった経験があるからこそ、私も下の世代の子にとってのロールモデルとして、昔自分が受けた恩を下の世代の子たちにつなげていきたいんです。

恩返しというか、恩送りというか。

───  彩香さんの背中を見て、下の世代の子たちも感じることは多いでしょうね。

まさにそれを目指しています。この前も、「大人の自由研究」を企画しました。一から豚骨スープをつくる人もいれば、新聞紙でテントをつくってみる人もいて、各々が楽しみながら調べているのが印象的でした。

大人が積極的に学ぼうとしたり、全力で楽しんでいる姿を子どもたちにも見てもらうことで、「宮古の大人って面白いな、ここで暮らせたら楽しそうだな」って思ってもらえたら嬉しいですね。

─── 大人が楽しんでいる姿、きっと子どもたちにも届いていると思います。彩香さん自身、今後やってみたいことはありますか?

宮古の20代のコミュニティを活性化させたいと思っています。学生時代の青春を取り戻す気持ちで、みんなでわいわい楽しいことを企画できたらなと思っています。地元を離れた同年代の子たちにも、いつでも地元に帰っておいでよって言ってあげたい。

それと、今個人事業としてライターのお仕事もさせてもらっています。夫も協力隊をしながら写真の活動を行っているので、夫は写真、私はライティングと、ゆくゆくは夫婦で一緒にお仕事ができたら理想ですね。

宮古のまちもいろいろ変わってきているので、広報担当としても、個人としても、いろんな魅力を知り発信しながら、宮古での暮らしを思う存分楽しみます!

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八島彩香
1995年生まれ、岩手県宮古市出身。3.11で被災した後、みやっこベースと出会う。活動の中で地元愛が芽生えるのと同時にまちづくりに興味を持ち、宮城大学事業構想学部に入学。2021年4月よりみやっこベースの広報を担当し、2022年4月には夫とともに宮古市にUターン。夫と猫との暮らし、気の合う仲間たちと過ごす宮古での生活を楽しんでいる。

NPO法人みやっこベース note https://note.com/miyakkobase/

インタビュー日 2022年6月9日
取材・文・写真 足利文香

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