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私を形作ってくれた地元・宮古のNPOで、次の世代に恩送りしたい

八島彩香

NPO法人みやっこベース 広報スタッフ
岩手 宮古

みやっこベースがあるから、今の私がある

─── 彩香さんは宮古市出身ですよね。宮古LOVE! な印象がある彩香さんですが、もともと宮古に愛着があったんでしょうか?

幼い頃はそもそも宮古が好きとか嫌いとか、それすら考えたことがなかったかもしれません。初めて自分の地元を意識したのは、震災が起きた中学3年のときでした。被災した家を訪問する市役所の人や、協力し合って瓦礫を片付けている人たちの姿を見て、地域コミュニティのあたたかさを感じたと同時に、私にも何か地元に対してできることはないかな? と思うようになりました。

とはいえ、どこに行けばボランティアができるのか、だれに聞けば情報を得られるのかが分からず、動くことができませんでした。

その後、文武両道を掲げる高校に進学しましたが、勉強も部活も打ち込むことができず、もんもんとした日々を過ごしていました。

─── たしか高校生の時に、若者を支援する団体「みやっこベース」の活動に参加したんですよね。参加したきっかけは?

高校2年のとき、友人に誘われて行ったのが、みやっこベースが主催するワークショップイベントでした。宮古の課題や将来像について考えるというもので、宮古の好きな所や嫌いな所、自分たちに何ができるかなど、宮古についてたくさん考えてアイデアを出しました。

まちづくりや復興について考える時間が本当に楽しくて、「あ、私がやりたいのはこれだ!」とわくわくしたのを今でも覚えています。それ以降、部活をサボって参加するほどみやっこベースの活動に熱中していきました。

─── 参加してみて変わったことはありましたか?

それまでは人前で喋ることが苦手だったのですが、ワークショップやイベントでの経験を通して人前で自分の意見を発言することに抵抗がなくなっていきました。

何より、みやっこベースに集う地域の大人たちと交流するようになってから、宮古には面白い大人がこんなにいるのか! と衝撃を受けました。ここに集う大人たちは、みんな宮古が好きな人達ばかりなんです。そんな「宮古好き」の人たちが私は好きだし、だから宮古のことも好きになっていきました。

─── 宮古のことを話す彩香さん、キラキラと輝いていて、本当に宮古が好きなんだなと分かります。

ありがとうございます……! 宮古のことが好きだと思えるようになったのも、「みやっこベース」で活動した経験が大きいんですよね。間違いなく、私を形作るのに欠かせない存在。

よく「宮古のためにがんばってるね」って周りから言われることもあるんですけど、私はあんまり宮古のためっていう風には思っていなくて。好きな人たちと一緒に活動できることが嬉しくて、心地良くて、だからここで頑張ろうって気持ちになるんだと思います。

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