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自分の人生は自分が決めていい、「ナリワイ」が私をエンパワーしてくれた
菅原明香
ナリワイALLIANCE代表/全国通訳案内士/複業アーティスト あかるさかおる
山形 三川

女性のエンパワーメントはライフワーク
─── そんな明香さんの最近のナリワイはどうですか? 英語を使う仕事を増やしていく可能性もあるんですか?
起業講座の少し前に全国通訳案内士の資格を取っていたんですが、1人だと点で存在感がないので、グループに仕事が落ちてくるようにと、鶴岡にいる通訳案内士6人で集まって「鶴岡全国通訳案内士の会CHAT CHAT」というグループを作りました。やっとコロナが収まってきて、クルーズ船が来る時には仕事が入りますし、これから観光関連の需要も増えそうです。だから、稼ぐことだけ考えたら英語の仕事をたくさんやればいいんだろうけど……なんだろう、やっぱり女性のエンパワーメントをやりたいんですよね。ナリワイアライアンスを6年続ける中で、いろんな女性に会って、いろんな相談も受けるようになりました。女性のエンパワーメントが、この地域には足りない、それこそが私にしかできないことじゃないかって思い始めていて。

─── そうなんですね。
ただこれが今のところ、アライアンスにすごい時間を割いているのに、そこでお金を生み出してないのが悩みなんです。アライアンスは女性たちが集まっている団体だということで頼まれごとも多いんです。意見を聞かせてほしいとか、活動報告してほしいとか、コロナ禍中には困窮女性に生理用品を配ってほしいとか。
実は今年、別の起業講座も受けてみて。とても魅力的なプログラムだったんですが、時間帯は夜で、参加者は男性がほとんど。その中で私、女性のエンパワーメントを核にした起業アイディアをプレゼンしたんです。いろんなジャンルで小さく仕事をしているアライアンスのメンバーを1人1人プロデュースしつつ、女性グループとしても仕事をする、それでどうにか事業ができないかと思って。でも、落ちちゃいました。ビジネス案自体良くなかったのかもしれないですけど、仕組みとしてこういうことが必要だという共感すら得られなかった感触があって、凹んでしまいました。

─── そうだったんですね。ビジネス起業に限らない法人化は考えてないんですか?
考えているところです。やはり活動を続けていきたいので。
最近は、山形県のしあわせ子育て応援部 多様性・女性若者活躍課との関係性もできてきました。また、県の男女共同参画推進員をやってきたんですけど、昨年から男女共同参画推進審議会の委員にもなりました。県には男女共同参画推進センター「チェリア」があって、そのチェリア塾でのジェンダー勉強会も修了したので、このつながりを生かしていきたいとも思っています。
─── ぜひ頑張ってください。地域にそういう気持ちを持つ人がいるっていうだけでも全然違いますから。
そうですね。この間、フューシャピンク色のコートですごく欲しいのがあったんですけど、「あ、 ここでは着れない」って思った自分がいて、うわ、悔しい、と(笑)。まだまだですね、私も。ほんとに、小さいことしかできなくて悲しくなるんですけど、ライフワークとして女性のエンパワーメントをやっていきたいとは思っているんです、その気持ちは強いですね。多分、ずっと抑圧されてた20、30代があって、鶴岡ナリワイプロジェクトがきっかけで自分らしくいられる場所ができて、すごく人生変わったって思っているから。昔の自分みたいな人を解放してあげたいと思うのかもしれないです。

- 菅原明香
- すがわらさやか 山形県鶴岡市生まれ。高校卒業後アメリカの大学に進学し、当初はジャーナリストを志すも、芸術学部に編入しグラフィックデザインで学位を取得。帰国後の結婚が縁で山形にUターンしたのち、出産後の社会復帰の難しさに直面する。「鶴岡ナリワイプロジェクト」起業講座への参加をきっかけに、同期で作った団体ナリワイALLIANCE代表に。「好き・得意」×「地域に良いこと」で生み出す小さなソーシャルビジネス=ナリワイとして、色鉛筆・水彩アート・デザイン、全国通訳案内士、英語指導、バイリンガル育児教室講師・おむつなし育児アドバイザーなどを行なっている。9歳、3歳の2人の女の子のお母さん。
あかるさかおる https://lit.link/akarusakaoru
ナリワイALLIANCE https://nariwaialliance.localinfo.jp
インタビュー日 2023年4月9日
取材・文 塩本美紀
写真 中島愛美
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