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コミュニティナース、畑へ。看護師人生で今が一番たのしい

星 真土香

コミュニティナース / HATARAKU〜畑多楽〜
岩手 紫波

無理なく、楽しむ。健康づくりの未来図

─── それにしても真土香さんは行動力がすごいですよね。思い立ったら即行動派?

というよりは、やらない理由がないから、やってる感じですかね。やりたくないことはしっかり断りますけど。自分がわくわくするものをやっているんだと思います。自分が一番居心地良く過ごせる空間を作ってる感覚。
楽しそうにしている人のところに、人は集まると思うので、そこは心がけていますね。

─── やる側が楽しむ、重要ですね。ただ、やることがいっぱいで疲れないですか?

フルで看護師をしていた時に比べたら、かなり楽です。自分が負担なく働けるスケジュールでやれているので。
病院に勤めていた頃の教訓で、自分自身が健康であることが第一だなって。一緒に活動する看護師の有志の人たちとも常にそう言ってます。そうしないと患者さんや支援する人たちの健康って作れない。お互い無理なく関われているからこそ、納得できるものを提供できてるって思えるようになりました。

─── 真土香さんが今やりたいことが出来ているのは、地域にいる人のおかげってところも大きいですか?

それはもう。自分1人なんてもうできないし。暮らしの保健室でもすぐ思いましたけど、これは1人でやっちゃいけないってすごく思いましたね。

相談事も、私も相談には乗れるけど、それって私1人が相談役じゃよくないなと。いろんな視点で対応してあげた方がその人にとってきっといいし。福祉とか介護とか様々な人たちの力をもらって、その患者さんを伴走できたらいいなって。だからこそ今、専門知識のある医療・福祉関係者と垣根を越えて活動しようと思ってるんです。垣根のない関係づくりをしたいって口に出して言ってたら、いろんな職種の人が畑に来てくれるようになりました。

─── いいコミュニティが生まれているんですね。地域おこし協力隊の任期が終わっても、このまま続けていく予定ですか。

そうですね。続けていきたいです。ただ、そこにかかる財源が今の所なくて。財源確保が今後の課題ですね。任期が終わった後も続けられるようにしたいです。実は家族が仙台にいて、私1人で紫波町に単身赴任していて。協力隊の任期が終わったら仙台に戻る予定なんです。なので仙台と岩手の2拠点で活動できるように、今年にかけて体制をつくっていけたらと思っています。

─── 続いていく未来が見えますね。今後やってみたいことってありますか?

今、畑で実現しようと思ってることがあって。例えば地域の人に畑作業を手伝ってもらったら、お返しにコーヒーとかお茶飲んでって〜みたいな、そういう関係性。お金の関係ではない、体力や物の分け合い。そこで生まれる人とのつながり。むしろその方がシンプルに生きられるというか、何かそういったコミュニティが作れたら面白いんじゃないかなっていうのを試験的にやっています。畑でいろんな人が集まって、各々が気づきを得て、持ち帰って、何か行動が変わるきっかけになる、そんな人のつながりで健康を培える場になったらなぁっていう夢があります。 ただ、とにかく今の活動を続けるのが第一なので。とにかく楽しい気持ちで続けたいな! 今の活動を続けていくことが、一番の目標です。

*コミュニティナース
地域住民との関わりの中で、看護師の専門性を活かしながら、健康づくりや地域のコミュニティづくりなどに貢献していく医療人材のこと。病気にかかる前段階に地域住民をサポートすることで、疫病の予防や早期発見、何より地域住民と一緒に“毎日の楽しい”と“心と身体の健康と安心”をつくっている。医療保健福祉にかかわるものから、いわゆる地域振興やまちおこしと言われるものまで、活動は多岐にわたる。

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星 真土香
1981年生まれ、岩手県奥州市出身。看護学校を卒業後、看護師として岩手県内の病院に就職。その後仙台の病院に移るも、看護師8年目の年に東日本大震災が発生。これからの人生を見つめ直し、病院を退職することを決意する。その後、居酒屋でのバイトや在宅医療を経験し、自分らしい看護の関わりを模索する中で、コミュニティナースと出会う。2020年2月、岩手にUターンする形で、紫波町地域おこし協力隊に着任。現在はコミュニティナースとして、暮らしの保健室を開催する他、看護師や地域の仲間と「HATARAKU〜畑多楽〜」を立ち上げ、住民の健康に伴走しながら健康的なまちづくりを目指し奮闘中。

インタビュー日 2022年4月27日
取材・文・写真 足利文香

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