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飛び込んだから自分の価値に気づけた。今度は女性の生き方を応援する側に
板林恵
一般社団法人トナリノ
岩手 陸前高田
女性の生き方を応援し、やりたいことに素直になりたい
─── 仲間を作ることが大事だというのは、先ほどの「ママのぱわーすぽっと」の立ち上げ時と似ていますね。
そうですね。自分が陸前高田で活動していて、狭い世界しか知らないんじゃないかと思っていました。他の地域で活動している女性とのつながりもなかったので、研修に参加して地域で草の根活動をしている女性たちと出会って、悩みってみんな同じなんだなって思いました。チームビルディングを学ぶ機会があって、そこで一人で課題解決ができないことを仲間をつくって、解決していく方法があると知りました。もともと人見知りなのですが、人とのつながりが大事だと思うから、人が会えるきっかけをつくりたいと思っています。
─── 人見知りなのには意外でビックリです。会うことが大事だと思った理由は何ですか?
何かを勉強する時、独学でやることもできるんですが、その場に行って先生がいて、実際に話してみて気づいたりすることがある。心が動くのは、会ってみたときだと思ったんです。知識はいくらでもつけられるけど、感情が動くのは実際に会ってみたときだなって。
自分も家にこもって子どもを育てていた時、世界が止まっている感覚がありました。
ママフェスも、自分たちがフェスをしたいのと、女性同士がつながる場をつくりたいなと思って始めました。自分がチームを作っていろんな人とつながると、生まれることがあるんだなって思いますね。
頑張らなくても、自分が興味があること1つでもやってみる。やりたいことを口にしてみる。そうすることによって、まわりが道しるべになってくれて、勝手につながっていく気がしています。
─── 恵さんの話を聞いていると、実体験から感じたことをパワーにして活動をしているんだなと感じました。
そうかもしれないです。女性が働きやすく、活躍できるような環境を作りたいと思って活動していますね。この地域に住むママも、スキルはあるけれど働く場がない。そして、世の中にある子育て関係の場所は、予算は子どもに使うのが前提のところが大半です。もっとママにスポットを当てる活動ができればなって思うんです。世の中が、子どもとセットの「ママ」は応援しても、1人の女性の生き方を応援することをしていないなと感じました。私も仕事とか、1人の女性としてもっと自分がやりたい事や学びたい事とかに対し、単純に素直になりたいと思います。
─── 恵さんの今後の展望はありますか?
陸前高田で、大きな災害にあったけれど、地域の女性がこういうことをやりました、と話して伝える活動はできたらと思います。飛び込んで行動してみることは、1つの経験として糧になる。何の失敗をしても怖くないって言いたいですね。この地域活動でこんなことをやってきたよ、という経験を増やして、知見にしていきたいです。
なんでも自分にやれることはやりたいし、やってきたことを集約していって、ある意味被災地の先進事例になれたらすごい。そこを目標に活動していけたらと思っています。
- 板林恵
- 1979年生まれ。岩手県大船渡市出身、陸前高田市在住。地元の高校を卒業後、携帯ショップスタッフを経験。結婚、出産を経て、長男が3歳の時に退職。2人目も出産し、2013年、ママサロンに次男を連れて参加した事がきっかけで、大船渡市にあるNPO法人こそだてシップに入職する。在籍中に、NPO法人ウィメンズアイ が主催するグラスルーツ・アカデミー東北に積極的に参加。2016年には、同じく地域活動をしている女性2人と「ママのぱわーすぽっと陸前高田」を設立。地域のママ向けにフェスやイベントを開催し好評を得る。その後こそだてシップを退職し、2018年4月に、一般社団法人トナリノに入職。海、空、サーフィンなど自然が好きで、その時々でキレイな景色を写真におさめている。
トナリノ https://tonarino.org/
なないろぷれす https://nanapre.com/
ママのぱわーすぽっと陸前高田 https://www.facebook.com/powerspotformom/
インタビュー日 2021年7月13日
取材・文・写真 吉田ルミ子
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