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旅の途中で立ち止まり、ママの笑顔を増やしたいという原点の想いに返る
志田ももこ
カメラマン/コソダテノミカタ
宮城 気仙沼

自身も一人の母に。仕事、育児、生活と最適なバランスを見つけていきたい
─── ももこさん自身、2021年に第一子を出産されてお母さんに。これまでお母さんの居場所を作ってこられましたが、ご自身は出産や育児を通して変化はありましたか?
子育てシェアスペースOmusubiを立ち上げてすぐ妊娠がわかりました。もちろん今でもお世話になっているのですが、立ち上げ後は頼もしい保育士チームに運営を任せて、私は一旦離れました。
そして娘が生まれて。これまでは自分には子どもがいない状態で子育て支援をしてきたけれど、今は自身の子育てを通して答え合わせをしているような感じです。「みんなが言ってた困りごとってこういうことか!」と実感します(笑)。でも逆に、育児で大変なことはある程度わかっているので、慌てずうまく付き合えているかな、とも思います。子育てはすごく楽しい。とても充実しているから、ゆとりを持って娘と接したいなと思っています。

─── 仕事中心の生活から、また軸が変わったんですね。娘さんが1歳になられて、今はどんな働き方を?
子どもと家族の時間を大切にしながら、どうすればちょうどよいバランスで仕事ができるか、考えながら進んでいるところですね。具体的には、今、3つの仕事の柱を持っているんです。
一つは、合同会社colereという会社で、経理や事務スタッフとして雇用していただいてます。私は前に出て自分で切り開くような仕事も好きなんだけど、実は自分のペースでコツコツ作業をするのも好きで。子どもがいる身だと事務の仕事って時間配分も自分のペースでできるし、とてもいい働き方なんですよね。
もう一つは「コソダテノミカタ」という団体の活動を通して、気仙沼の子育ての形をより良くしていこうということにも関わっています。
そして三つ目は、ずっと写真を撮るのが好きで続けていた、カメラマンとしての活動に力を入れていきたいなと思っているところです。
─── COMADOの記事の中でも、これまでにたくさん素敵な写真を撮ってくれていますね。
家族や母子の自然な写真を撮らせてもらうのが好きで。振り返れば、これも看護師時代に、あるお母さんと出会ったことが写真を撮るきっかけになっているんです。そのお母さんは、いつもお子さんの写真ばかり撮っていて、二人の写真って全然なかったんですね。それで、私がカメラお借りしてお子さんと一緒の写真を撮らせてもらったことがあったんです。そうしたらとても嬉しそうで。
その人だけじゃなくて、お母さんっていつも写真を撮る側で、一緒に写ることが少ないじゃないですか。それでお母さんも嬉しそうな家族の写真を撮りたいと、勉強してフリーランスで少しずつ仕事にしていったんです。
今は、ありがたいことに、色々なご家族からご依頼をいただいて、すごく楽しいですね。以前の私ならきっと、写真のお仕事の比重をもっと多くしようと、どんどん動いていたと思うんですけど、今はまだ娘が小さいので、その辺りはバランスを取りながら。また時期が来たら、もっと仕事にフォーカスできることもあると思うので、それまで写真はずっと続けていきたいなと思っています。

─── いいですね。ももこさんは、これからもずっと気仙沼で、働くお母さんのパイオニアのような存在になっていく気がします。
たまたま、旅の途中で定住して、結婚した人も気仙沼の人で、私はここでとてもいい出会いをもらいました。気仙沼の人たちと一緒にやりたいことはいっぱいあります。私のように結婚してもある程度自由に動けて、フリーランスのような仕事ができる人はまだ限られています。子育てをしながら働くような選択肢も少ないし、収入ベースも水準が低いなど、街の中に色々と課題はあります。だから、お母さんであってもいろんな働き方ができて、ちゃんと収入も得られる───そういう仕組みを作っていきたいと思って、今、行政の方達とも協働で動いています。
もっと多くの人が、幸せに楽しく、自由に働きながら子育てできる地域になるように、協力できたらと思っています。

- 志田ももこ
- 1991年、静岡生まれ。看護師、カメラマン。横浜の小児医療センターでの看護師勤務を経て、日本1周の旅へ。途中立ち寄った気仙沼での出会いから、「ゲストハウス架け橋」の立ち上げに関わり、2017年から2021年までオーナーとして経営に携わる。昼間のゲストハウスを地域のために使おうと絵本カフェをスタートしたところ、気仙沼で子育て中のママたちの切実なニーズが明らかになり、託児事業を立ち上げることに。気仙沼で結婚・出産し、一児の母。現在は、合同会社colereで働きながら、ライフワークのこども写真家として家族写真の撮影を請け負う。また、これまでの母子支援の経験を生かし「気仙沼子育てコレクティブインパクトプラットフォーム コソダテノミカタ」の一員として広く気仙沼の子育てに関わり、市とも協働している。
インタビュー日 2022年7月5日
取材・文 玉居子泰子
写真 塩本美紀
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