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自然の中で遊び、学び、「自分軸」を育てる保育をめざして

清水冬音

森のようちえん「虹の森」代表/保育士
宮城・多賀城

今は人生の分岐点 これからの生き方を探しているところ

実は、昨年結婚して、今は石巻に暮らしています。夫の地元はこっちなのですが、しばらく東京で暮らしていて、震災をきっかけにUターンし、石巻で働いています。独身の頃は、夜は外で食べたり、何も食べなかったりと適当に暮らしていましたが、結婚して毎日ごはんを作るようになり、規則正しい生活を送るようになりました。

─── 

結婚したというのもあるかもしれませんが、私も今年33歳。卒業後、がむしゃらに頑張ってきたけれど、そろそろ次のライフステージを考えるときに来ているのかなと。

子どもたちと過ごすのは、とても楽しいです。でも、園として運営していくには課題もあり、もっと別のやり方があるのではないかとか、いろいろ迷っているのですが……。とりあえず今は、いわゆる“幼稚園”の形を一度お休みしようかと考えているんです。

─── えっ!?
あ、でも完全にやめてしまうわけではないですよ。この先も、この仕事をずっと続けていきたいからこそ、ちゃんと考えたいなと思って。

─── ライフステージ、考えてしまいますよね。冬音さん、宮城での暮らしが気に入っているんですね。
私の地元は神奈川でも内陸だったので、海が身近にある今の環境はいいなぁと思っています。神奈川にいた頃は、学校に行くのも、遊びに行くのも、電車を乗り継いでわざわざ行くって感じで、住んでいるところと昼間過ごす場所に差があったのですが、こっちは生活圏が一つにまとまっているので、暮らしやすいんですよね。それに宮城でできた友達のことは、とても大切な存在です。

これから、次のことをゆっくり考えていこうと思います。自分の人生は自分で決める。それが、私が「虹の森」で大切にしてきた「自分軸」を持つということなんですから。

*その後、虹の森は、2021年6月をもって活動を終了しました。一部の活動は、参加者や協力者たちの手で続いているそうです。

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清水冬音
1988年、母の里帰り出産で山口県生まれ。横浜で育つ。大学で里山について学んだ後、大学院で「森のようちえん」に出会い、研究テーマとしながら、現場に入り実践を学ぶ。大学院生のときに、東日本大震災のボランティア活動に参加。卒業後、仙台に移住し、「虹の森」の立ち上げ中心メンバーとして参加。2017年に独立し、代表に。子どもだけでなく、その周りの大人たちも「自分」をしっかり持ち、のびのび過ごせるような居場所を目指している。
2020年に結婚し、インタビュー時は石巻市在住。その後、2021年夏に金沢へ。
「インタビューしていただいた時、どうなるかまだわからなくて、なんだか歯切れが悪くなってしまってすみませんでした。引越しのきっかけはパートナーですが、私も前向きにやってきました。とはいえ、宮城を離れることに葛藤がなかったわけではなく、いろいろな気持ちでした。金沢では、とりあえず興味ある方へ動いてみて、どうなるかしらという感じですが、やっぱり、幼児教育と自然に関わりたい気持ちです。その時の出会いを大切にしつつ、自分の違和感のないほうへ進むと思います。」

●森のようちえん虹の森 ブログ http://nijinomori2012.seesaa.net/

インタビュー日 2021年2月8日
取材・文 石渡真由美
写真 小野寺香那恵

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