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地元に帰ってきたから、自分らしくワクワクできるチャレンジがあった。

横山沙織

認定NPO法人底上げ スタッフ
福島 いわき

─── 自分のやりたいことを見つけるって、そもそもとっても難しいですよね。
「SOKOAGE CAMP」に参加する大学生のなかには、自分のやりたいことをして、何者かにならなきゃいけないって思っている子たちもいて、不安になる気持ちを聞くことがあります。その気持ちも分かるけど、何者じゃなくても良いっていう選択肢もあってほしい。自分のことがよく分からなくなって、明確にやりたいことがなくても、ずっと探し続けるものだと思うんです。吐き出してくれた不安を受け止めつつ、大丈夫だよーって言ってあげられたらって思います。

答えは自分のなかにあるし、それを、他人が変えることはできないから。

——答えは自分のなかに。そのことに気づけたのはいつですか?
うーん、高校生くらいから、あまり人に相談しないで決めていたところがあって。相談してアドバイスをもらうと、やりたくない気持ちになることがあって。相談された側も、アドバイスを無視されたみたいな気分になる。女子特有の仲間同士でうざったい体験もあったかな(笑)。それなら自分で決めた方がいいやって思ったし、決めたからにはやる責任もとらなきゃって。たとえば、高校生のとき、好きなアーティストのライブを観たくて、ひとりで東京に行ったりとかしていました。

─── えー、高校生でひとりライブ、ひとり東京! すごいチャレンジ!
家族は心配したんじゃないですか?

母は、やりたいならやりなさい、でも心配はしているよっていうタイプで、祖母はすごい心配性。一人っ子なので、単独行動には慣れていたから、やるからにはその責任をとって安全に帰ってこなきゃって思っていました。大学生の時に1年間休学してアジアを旅行して、旅するなかで人ってどんな場所でもなんとか生きられるんだなって思えて、その経験がいまの自分の生き方や考え方に、つながっていると思います。

─── そんな沙織さんだからこそ、仲間たちも信頼して仕事を任せてるんでしょうね。
底上げのメンバーって、それぞれ目の前の人が困っていたら、何かしたいと思うような人たちなんです。これから先もし仕事が無くなっても、助けてと声を挙げたら助けてくれる人がいる気がしていて。気仙沼や東北でこれまで出会ってきた人たちのつながりには、気持ちの面で助けられてます。その安心感で、「なんとかなる」って思える。わたしも、遠くの誰かの役に立つことは難しいかもしれないけれど、顔が見える人が困っていたら、できることをしたいなって思っています。

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横山沙織
宮城県仙台市出身。進学を機に、横浜へ。大学卒業後は、金融機関に4年間勤務した後、
2011年5月にUターン。民間財団職員を経て、2016年より底上げの活動に参画。
2019年より、結婚・出産を機にいわきへ引っ越し、現在はリモートワークで仕事に携わる。
趣味は自然、音楽、ビール。全てが揃う野外フェスはもはや天国。

●認定NPO法人底上げ https://sokoage.org/
●Facebook https://www.facebook.com/sokoageJAPAN/

インタビュー日 2021年1月19日
ライター・撮影 鎌田千瑛美

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