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障がい児の子育てで気づいたこと「お母さんは自由でいい」

山﨑友里絵

障がい児を育てるママの会「とまり木」代表
岩手 大船渡

意気込んで全力で、周りが見えなくなっていた

─── 子どもたちにも役割を作ることの原体験なのですね。ところで、友里絵さんがこれまでの活動を通して気づいたことは何ですか?

自分が先頭に立つうえで、参加者さんを上手くまとめる力が不足していたなって思いました。

─── 力不足を感じる原因は何だったのでしょうか?

障がいの種類って本当にたくさんあるのに、いろんな障がいをひとくくりにしたからだと考えています。活動の中で「自分とは違う」とか「あの人はいいよね」みたいなギクシャク感が生まれて、ちょっと上手くまとめられなくなってしまったんです……。

─── そんなわだかまりがあったんですね。

それに気づいたのは、活動休止の半年後ぐらいでした。当時の参加者さんが、ダウン症の会を立ち上げたと聞き「似た障がい同士で集まる方がよかったのよね」ということも聞いて、長期間モヤモヤを引きずってしまいました。

運営していた頃は、障がい児の支援団体を立ち上げるしかない!って、周りも見えなくなっていました。いろんな人にアドバイスを求めては、全員の違う意見に流されて、そのアドバイス通りに全部やろうとしちゃって。結果、自分自身がブレていたんです。

─── そうですか。それでも、活動してプラスになったこともありますか?

活動は、本当にやってよかったって思います、人生が変わる経験だったと思うくらいです。自分自身が苦しむこともありましたが、それがあったから今の自分があると思えます。モヤモヤから立ち上がって、リンパマッサージの資格取得にチャレンジしようと気持ちを切り替えることができました。

─── よかった! マッサージの資格取得。ワクワクですね!

実はママカフェを、またやりたくて(笑) ママカフェをしていた時は、自分がいいと思うことは他の人もいいと思うだろうって、思い込んでいました。 “リフレッシュ、リフレッシュ”って言いながら、グチばっかりだったし。でも今は、自分がちゃんとマッサージを提供して、みんなの話を聞きたいって思っています。もしまたママカフェを再開するにしても、今までとは違った形になるかな。

─── もっといい活動が生まれてきそう! 友里絵さん自身の子育てが活動の原点だったと思います。お母さんとしてはどんな変化がありましたか?

お母さんが好きなことをしているのが、子どもにとって一番いいと思います。子どもに「こうしなさい」とかアレコレ言うよりも、自分が好きなことをして楽しんだらいい。家族がいても、好きなことを仕事にしたらいいし、自分のやりたいことをやって生きること。そうしているうちに、子どもが自由にいろんなことを選択できればいいと思っています。

─── 今の話、おじいちゃんが友里絵さんにしてくれたことみたいですね。

そうですね! 私は子育てだけしていた時よりも、今は時間はないけどすごく充実しています。これからは自分で活躍してお金を得る。誰かのために動いていく。その自分の姿を子どもに見せていくことが大切だと思います。

とにかく好きなことをやるのが一番ですね。お母さんは。

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山﨑友里絵
988年、岩手県陸前高田市生まれ。現在は大船渡市在住。ファストフード店、老舗菓子屋、介護施設の仕事を経て、妊娠出産。双子の次男三男に障がいがあり、障がい児をもつ母親向けのサロン「とまり木」の活動を始めた。現在は働きながら、彫刻リンパマッサージの資格取得に向けて勉強をしている。(追記:2022年12月に資格を取得し、現在は彫刻リンパ®️認定セラピストとしてフリーランスで活動をしている)

Instagram アカウント名:yurip433  https://www.instagram.com/yurip433/

インタビュー日 2022年7月6日
取材・文・写真 板林恵

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