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どこに住んでも地球人。美味しいものと綺麗な景色、素朴なことが実は楽しい

佐藤美穂子

農家民宿・カフェ 音水小屋/ふるさとの家保存会会長
青森 五戸

青森の話ばかりする、都会の子どもたち

─── その家をリノベーションして、農家民宿とカフェにされたんですね。

農家民宿は2019年に始めました。最大でも9人くらいしか泊まれないんですけど。最初から定期的に来るのは、東京でうちの長男の保育園で一緒やった子どもたちですね。小3でも子どもだけで、新幹線乗ってくるんですよ。さらにその中学生のお兄ちゃん、お姉ちゃんらが卒業旅行とか言ってぞろぞろ来たりして。車で30分くらいの八戸の新幹線降りるとこにまで迎えに行ってね。子どもだけでいっぱい来るから、もう、大家族みたいになってるんですよ。

─── 子どもたちは何をして過ごしてるんですか?

別にどこ連れて行くまでもなく、ただその辺で遊ぶとか、それだけで楽しいみたいです。虫が好き、動物が好きみたいな子もおる。体動かすのが好きな子も、うちの畑に歩いて行ったり、そういうのが好きみたいですね。コロナの時はしばらく来れなくて、親御さんたちから、五戸に行きたくて仕方がないって言ってるって何人もから聞いて、嬉しいなあと。今回来た6年生の4人組は、もう東京はどこ行っても混んでる、ここはどこも並ばなくて済むからすごくいいって言ってましたね。別になんかこう、お膳立てしてあげなくても、子ども同士でなんかワイワイやって楽しそうですね。

─── 意外と、素朴なことが楽しいんですかね?

そうですね。高校生の修学旅行生で受け入れしてる子たちも、大阪の大きい学校から青森での農家民宿2泊3日と北海道観光の組み合わせで来るんです。男の子ばっかりやったんですけど、お母さんから電話かかってきて、普段家で喋らないのに、家に帰ってきたら青森のことばっかり喋る(笑)。何なんですか、青森って何があるんですかって、すごい不思議がられました。

学校側から修学旅行の子達はお客さんじゃないので何でもさせてくださいって言われているので、農作業してもらって、自分で野菜とって、ホットプレートで勝手に焼いて食べてたり。あと、うちの子どもらと遊んでもらったり。

─── カフェはいつから始めたんですか?

カフェは2020年にオープンしたんですが、そこでコロナが来たんですよ……。それで、ここにじっとおってもお客さん来ないしあかん、もう出歩くかと思いまして。想定外だったんですけど、週2回は弁当を売りに行くことにしました。なので、火曜日は新郷村の役場、木曜日は五戸町の役場のあたりに行ってます。微々たる収入でも小銭稼いでなんとかしなあかんなと思って、一昨年からは習字教室も始めたんですよ。長く書道続けてたんが役に立ちましたね(笑)。

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