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リアルな経験を活かす。離婚・再婚・出産を経て、描き直したライフストーリー
竹下小百合
夫婦・パートナー問題専門カウンセラー/ミライフ(株)代表
宮城 仙台

「母親も、自由に生きていい」ことが衝撃だった
─── 離婚を決意して、生活はどう変わりましたか?
一人で息子を育てることは大変でしたが、両親の助けもあり生活は落ち着いていきました。何よりストレスが格段に減りましたね。
夫婦カウンセラーが離婚するなんてって笑われたこともあったし、「なぜ回避できないの?」と聞かれて葛藤したこともありました。だけど、周りにどう言われてもやっぱり復縁したいという気持ちにはなれなかった。
それに当事者になってみて改めて、カウンセラーとして夫婦関係に悩む人の気持ちが一層わかるようになりました。もちろん、離婚を経験したからといって相談者の気持ちが全部わかるようになったとはとても言えないけれど、それでも私自身の体験を通して、少しでもお気持ちに寄り添えるようになったかなとは思います。

─── ご自身の傷はどうやって癒していったんですか?
離婚してすぐは必死で息子を育てていましたが、2年くらいたったころ、知り合いからウィメンズアイ主催の「グラスルーツ・アカデミー東北2016 in福島」への参加の誘いを受けたんです。
東北3県(宮城、岩手、福島)の同世代異業種の女性たちが集まって、それぞれの経験から学び、課題解決につなげるというコンセプトが魅力的でした。それに、2泊3日で補助がついて子ども同伴可なんていう条件にはびっくり。「詐欺じゃないの!?」と疑ったくらいです(笑)。
─── 子連れだと参加しやすいですよね。実際に参加してみてどうしたか?
それまでも資格取得などのためには自己投資はしてきたけれど、それまでの研修とは全然違いました。「初めて出会った仲間に、自分の悩みをさらけ出していいんだ!」ということがまず衝撃的でした。
その時に、カナダ人の若希(ジャッキー)・スティールさんに出会ったことも大きかったです。彼女も離婚を経験されていたのですが、とても自由に生きているように見えて。
私が「シングルになった今、子どものために生きている」と言ったら「何を言っているの?」と一喝されたんです。
「子どもはすぐに巣立っていくのだから、自分のために時間を使ったほうがいい。時間は有限だよ」と。
母親だからといって、時間をすべて子どもに捧げることがいいわけじゃないと気づかされて、頭を殴られたような気持ちになりました。
─── 自分のやりたいことや欲求を大切にして、幸せに生きていいというロールモデルに会えたんですね。
彼女もお子さんを連れて参加していました。若希がきっかけで離婚後も、恋愛や再婚をして家族を作るという選択肢があると気付かせてもらいました。