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今、初めて自分で選んだ仕事をやっている実感があります

對馬良美

NPO法人キッズドア/東北事業部 事業部長
宮城・仙台

思いがけず、NPOに転職

ーよろしくお願いします。今、どこですか? 仙台のキッズドア事務所?
はい、今着きました!

ーキッズドアは、NPO法人なんですね。東北での活動は東日本大震災後の支援が始まりだと聞いています。具体的にはどんなことを?
経済的困窮家庭の中高生への学習支援やキャリア教育、居場所づくりに取り組んでいます。わたしの活動の中心は仙台市ですが、南三陸町への出張学習会も行っています。事務局担当として、学習会がバランスよく回るよう手配したり、生徒・保護者と学習支援ボランティアの間に入って連絡を取り合うことなどが、主な仕事ですね。広報や、外部との窓口の係でもあります。

ー良美さんは、いつからキッズドアに?
2015年の6月です。転職先を探していた時に、ハローワークにちょうど「学習支援事業、無資格・未経験でも歓迎します」と出ていたのに応募したのが始まりです。

ー転職の一環なんだ! なぜまたNPOに行こうと思ったんですか?
NPOを選んだわけではなくて、行ってみたらNPOだったというか……。

ちょうど前の職場を33歳の時に辞めたんです。転職するのなら年齢的に今だ!って。前職は、旅行業専門の人材派遣サービス会社で、数年単位で色々な職場を転々としました。最初は空港、それから旅行会社、次はホテルという具合に。

ー旅行が好きでその仕事に?
いや、縁があってたまたまです。大学を出て、田舎に帰ったらきっとお見合いさせられるなあと思いながらも就職活動にも乗り気じゃなかった時に、誘ってくれた方がいて。

でも、なんというか職場では、まわりに、夢や、目標や理想を持って、輝いて働いている人があまりいなかった。仕事に対してクールというか、冷ややかな態度みたいな。お金にまつわるグレーなことが見え隠れするのもものすごく嫌で……。

だから、もっと、お手本となるというと変ですけど、自分がこういう人たちと働きたいとか、こういう人たちについていきたいと思えるような世界に移りたいなあって。全然違う業界に行ってみたいと思ってたんですよね。

次の仕事はどうやって探したんですか?
その前年に結婚して、さらに、急に祖母が亡くなったこともあり、いったん休息して自分の人生に向き合いたい気がしていました。夫も、ゆっくりしたらいいよなんて言ってくれてたんですけど……。

実際に辞めて、家で一人で過ごす時間が多くなると、社会に属していない不安が大きくなり、自分自身を見失い落ち込んでしまって……。これは良くないと、ハローワークの情報を見て、離職者等再就職訓練で簿記のコースに申し込みました。社会に出てから、いろいろ営業や経営の数字を見ることがあったけど、ちゃんと学んだことがないなと思って。

15人〜20人くらいの教室で、先生が、わたしより少し年上の先生なんですけど、すごくわかりやすい。クラスメイトも20代から60近い人までさまざまで、休み時間に喋ったり、毎日学校に通うのがすごく楽しかった。いいなあって思ったんですよね。そういう学びの空間っていうのが。コミュニティに属している感じもあって。

学びの楽しさを再認識したというか
はい。その時点では、次にどういう仕事をするのか定まってなかったんですが、時々、ハローワークからの指示でキャリア教育の授業が入ってくるんです。自分の強みと弱みを分析したり。それを自分でやってみて、それまでの社会人経験が接客系なのでそれを生かせる仕事で、なおかつ、教育の要素もあるといいなあと思うようになりました。そうして探し始めたら、キッズドアの求人があったんですよね。理事長の渡辺由美子さんと東北事務所の2人のパートさんの3人で面接をしてくれて。

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